スーパー・ツイン 石川さゆり/風の盆恋歌

石川さゆり スーパー・ツイン 石川さゆり/風の盆恋歌歌詞
1.津軽海峡・冬景色

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

上野発の夜行列車 おりた時から
青森駅は雪の中
北へ帰る人の群れは 誰も無口で
海鳴りだけをきいている
私もひとり連絡船に乗り
こごえそうな鴎見つめ泣いていました
ああ津軽海峡・冬景色

ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと
見知らぬ人が指をさす
息でくもる窓のガラスふいてみたけど
はるかにかすみ 見えるだけ
さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする 泣けとばかりに
ああ津軽海峡・冬景色

さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする 泣けとばかりに
ああ津軽海峡・冬景色


2.能登半島

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

夜明け間近 北の海は波も荒く
心細い旅の女 泣かせるよう
ほつれ髪を指に 巻いて溜息つき
通り過ぎる 景色ばかり見つめていた
十九なかばの 恋知らず
十九なかばで 恋を知り
あなた あなたたずねて行く旅は
夏から秋への 能登半島

ここにいると 旅の葉書もらった時
胸の奥で何か急に はじけたよう
一夜だけの旅の 仕度すぐにつくり
熱い胸に とびこみたい私だった
十九なかばの 恋知らず
十九なかばで 恋を知り
すべて すべて投げ出し駈けつける
夏から秋への 能登半島

あなた あなたたずねて行く旅は
夏から秋への 能登半島


3.暖流

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

私これで帰りますと席を立った
急にたずねすみませんと頭下げた
いいのここで一人にして下されば
後はぶらり海を見つめ過します
これで心が晴れました
あなたなしで生きることに決めました
沖を走る潮の流れ見つめながら
私しんみり南国土佐の昼さがり

バスの窓にキラリキラリ 波が光り
岬までの道がつづく うねりながら
季節はずれ風がさわぐ海べりを
私ひとり乗せただけのバスが行く
これで心が晴れました
あなたなしで生きることに決めました
かもめつれて西へ走るフェリーボート
私ぼんやり南国土佐の昼さがり

これで心が晴れました
あなたなしで生きることに決めました
ふり向いては駄目よ駄目よ戻っちゃ駄目
私はらはら 南国土佐の昼ざかり


4.沈丁花

作詞:東海林良
作曲:大野克夫

降りしきる 雨の吐息に
許されぬ あの人と二人
忍びあるく 坂道
思い切れない 人だから
思い切れない 恋だから
ひたむきに 燃える心
二人でいても 何故か淋しい
夜明けの 裏通り

港まで つづく舗道に
白くこぼれる 沈丁花
こんなこと していたら駄目と
熱い胸を 抱いてる
忘れられない 人だから
忘れられない 恋だから
なおさらに つのる心
雨が止んだら 春の風吹く
夜明けの 裏通り

終わりかけてる 人だから
終わりかけてる 恋だから
ひとときに 賭ける心
雲の切れ間に 陽ざしが見える
夜明けの 裏通り


5.砂になりたい

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

心がこなごな こわれた私
体もさらさら 砂になりたい
春になっても まだ寒い
北の砂丘を ただひとり
日本海から 吹く風で
砂のつぶてが 頬をうつ
うらんでいうのじゃ ありません
恋でこの身が 燃えつきました
山陰本線 夜の汽車
明けて砂丘の 砂もよう

指の間を 音もなく
砂がこぼれて 行きました
まるで私の しあわせと
同じようねと つぶやいた
あなた以上の いいひとに
会えるのぞみが 持てないのです
山陰本線 夜の汽車
明けて砂丘の 砂もよう
心がこなごな こわれた私
体もさらさら 砂になりたい…


6.火の国へ

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

あなたなしでも生きられる
そんな女になりたいと
熱い思いの火の国へ
生れ変りに参ります
東京駅から西へ向け

泣かぬ女の
泣かぬ女の ひとり旅

雨の降る日はしのび逢い
それが似合いの恋なんて
甘く見えても真実は
若い私をやせさせた
三年三月は重過ぎて

とても背負って
とても背負って 行けません

肥後の火の山 阿蘇の山
私むかえてくれる山
明日はあなたの想い出も
すべて燃やしてしまいます
未練が眠りをさまたげる

そして夜汽車は
そして夜汽車は 火の国へ

そして夜汽車は
そして夜汽車は 火の国へ


7.春一輪

作詞:東海林良
作曲:大野克夫

南の風に 誘われて
旅立つ私を 許して下さい

愛に疲れた 訳ではないけれど
二人の行方を 見つめるつもりです
海風 坂道 異人館
ここは長崎 春一輪

見知らぬ誰かに 道を聞かれて
心がなごむ ひとりです
海風 坂道 異人館
ここは長崎 春らんまん

桜がひとつ 落とされて
心の扉に 忍んでゆきます

人をはじめて 愛した切なさで
少しは大人に なれたと思います
木洩れ陽 すじ雲 花吹・瘁・ここは大和路 春一輪

いつでも心が 遠まわりして
あなたに帰る 私です
木洩れ陽 すじ雲 花吹・瘁・ここは大和路 春らんまん

あなたの心も 変わらずいたら
怒らず 待っていて下さい
黄昏 夕凪 水明り
ここは瀬戸内 春らんまん


8.みちゆき博多発

作詞:阿久悠
作曲:川口真

右に街の灯 左に玄海
夜をひき裂く 汽車が行く
顔をかくして 関門くぐれば
やっとあなたと同じ席
ああ ひとり旅する
女のふりして
窓を見つめて いたけれど
みちゆき 博多発 ふたりづれ
とべない女がとびました

瀬戸のいさり火 山手のともしび
みかんむく手が ふるえます
誰も知らない 恋ゆえ悩んで
過ぎた一年 想い出す
ああ こんな私を
許して下さい
きっとしあわせ つかみます
みちゆき 博多発 ふたりづれ
とべない女がとびました

ああ こんな私を
許して下さい
きっとしあわせ つかみます
みちゆき 博多発 ふたりづれ
とべない女がとびました


9.鴎という名の酒場

作詞:阿久悠
作曲:中村泰士

黒地に白く 染めぬいた
つばさをひろげた 鴎の絵
翔んで行きたい 行かれない
私の心と 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海

海鳴りだけが 空オケで
歌えば悲しい 歌になる
とてもあなたは この町で
くらせはしないと 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海

昔の男(ひと)と 思うから
言葉もなんだか つまりがち
只の男と 女なら
気楽にのめると 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海


10.天の川情話

作詞:なかにし礼
作曲:弦哲也

出雲崎から 荒海見れば
遠くにかすむ 佐渡ヶ島
今ごろあなたは 手紙をよんで
別れに気づいて いるでしょう
佐渡は 佐渡はいよいか 住みよいか
せまい町ゆえ 島ゆえに
私の恋には つらすぎた

この身のぞまれ 嫁ぐのならば
あなたと決めて いたけれど
私の願いは 叶わぬ願い
女が泣いたら それですむ
佐渡は 佐渡はいよいか 住みよいか
両津みなとで 船にのり
私はふるさと 棄ててきた

涙こらえて 唇 かんで
見上げりゃ 空に天の川
このままあなたと 続いていたら
父母世間を せまくする
佐渡は 佐渡はいよいか 住みよいか
つらい運命の 恋ゆえに
私は帰らぬ 旅に出た


11.ほととぎす

作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし

街を一緒に 行くときは
三歩さがって 歩きます
あなたのどんな わがままも
ハイと素直に 答えます
ほととぎすは ほととぎす
白い鶴には なれないけれど
あなたひとすじ 身をつくし
女命を
女命を ささげます

あなた帰って 来たときは
三つ指ついて 迎えます
あなたが夢を 見るまでは
そっと背中を さすります
ほととぎすは ほととぎす
白い鶴には なれないけれど
眠るあなたの 耳もとで
愛の言葉を
愛の言葉を うたいます

ほととぎすは ほととぎす
白い鶴には なれないけれど
今度生まれて 来るときも
あなたのそばで
あなたのそばで くらしたい


12.漁火挽歌

作詞:石本美由起
作曲:三木たかし

波が鳴くのか 海が鳴る
こころのなかも 闇になる
惚れた挙句の 幕切れは
岬がくれの 旅の宿
漁火ちらり ちらり ちらり
涙がほろり ほろり ほろり
愛しつづけて いたいのに
あなたは過去の人になる 人になる

舟は流れる 波に揺れ
人はさだめに 流される
抱いて下さい もう少し
明日の別れを 忘れたい
漁火ちらり ちらり ちらり
未練がほろり ほろり ほろり
残り少ない時刻をさす
時計の針のにくらしさ にくらしさ

漁火ちらり ちらり ちらり
溜息ほろり ほろり ほろり
崩れるように 身を寄せりゃ
夜明けを怨む雨が降る 雨が降る


13.あなたのためなら

作詞:たかたかし
作曲:叶弦大

あなたが帰る その淋しさに
情けかけあう 橋がない
今は他人で ないのに他人
ひとりぼっちは つらすぎる
おんな おんな おんなですもの
あなたのためなら 命ささげます

逢うたびふえる おもいでなのに
それが悲しい 身をせめる
帰したくない はなれたくない
夢の中でも あなただけ
おんな おんな おんなですもの
あなたのためなら 悔いはありません

あなたの妻と 一度でいいわ
呼んでください 心から
散ってゆくのが さだめの花よ
せめてあげたい まごころを
おんな おんな おんなですもの
あなたのためなら 涙こらえます


14.東京めぐり愛(デュエット:琴風豪規)

琴風豪規・石川さゆり
作詞:なかにし礼
作曲:市川昭介

(男)「やっと逢えたね あゝ良かった
(男)さがしぬいたよ 東京を」
(女)「逃げていたけど心では
(女)みつけてくれるのを 待っていた」
(男)赤い運命の糸がある
(女)それを互いにたぐってた
(男女)東京ふれ愛 めぐり愛

(女)「夢じゃないのね あゝ良かった
(女)泣いていいのね 思い切り」
(男)「おそくなったが 幸せは
(男)なんとか間にあったみたいだね」
(女)一生一度の恋だもの
(男)花の咲かない はずがない
(男女)東京ふれ愛 めぐり愛

(男)「元気そうだね あゝ良かった」
(女)「はなさないでね もう二度と」
(男)「嫁になりなよ この俺の」
(女)「死んでもいいくらい うれしいわ」
(男女)ごらん あんなに光ってる
(男女)二つならんだ 夫婦星
(男女)東京ふれ愛 めぐり愛


15.春の雪

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

愛してなくて よかったと
たたく背中の いとしさ憎さ
こぶしのなかで
はらはらと 泣く雪は
夢のなごりか 想い出か
つかんではかない ああ 春の雪

抱かれていたい 甘えたい
雪があなたの あと追いかける
飲めない酒に
ほろほろと 酔いしれて
みれんでしょうか ひとり酒
あきらめきれない ああ 春の雪

からだを独り もてあます
みんなあなたの あなたのせいよ
寝がえりうてば
はらはらと 雪が舞う
夜に人恋う 花になる
あなたに逢いたい ああ 春の雪


16.波止場しぐれ

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

波止場しぐれが 降る夜は
雨のむこうに 故郷が見える
ここは瀬戸内 土庄港(とのしょうみなと)
一夜泊りの かさね着が
いつかなじんだ ネオン町

肩に重たい 苦労なら
捨てていいのよ 拾ってあげる
ここは瀬戸内 土庄港
のんでおゆきよ もう一杯
浮世小路の ネオン酒

あれは高松 最終便
グラス持つ手に 汽笛がからむ
ここは瀬戸内 土庄港
恋も着きます 夢もゆく
春の紅さす ネオン町


17.ふたり傘


18.紫陽花ばなし

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

港のはずれの “紫陽花”は
今夜かぎりで 店じまい
ありがと新ちゃん 頑張れママと
世渡り下手の 口下手が
酔いにまかせる 演歌ぶし

いつでも船出は おとこだけ
たまにゃわたしも 見送って
ありがと玄さん 土産だなんて
二度惚れしたと 手をおいて
肩に隠れて しのび泣き

上りも下りも 日本海
どこへゆこうか かもめどり
ごめんね文ちゃん 夫がいます
他人(ひと)には云えぬ 過去がある
雨も吐息の こぬか雨


19.なごり雨


20.大阪つばめ

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

雨の降る夜は 人恋しくて
夢がぬれます ネオンがしみる
とんでゆきたい 抱かれたい
大阪つばめ
縁を切る橋 つなぐ橋
渡りきれない 淀屋橋

声をかければ 他人の空似
うしろ姿の しあわせばかり
あなた逢いたい もう一度
大阪つばめ
たとえかなわぬ 夢でいい
両手合わせる 法善寺

にごり水でも 青空うつす
越えてゆけます あなたがいれば
ふたりとびたい 春の空
大阪つばめ
つたい歩きの とまり木は
浮いて流れて 北新地


21.裏町夫婦草

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

雨の屋台の 三三九度が
あなたとわたしの 振り出しでした
苦労くの字に あなた 寄り添って
踏まれて伸びる 草のよに
いつか咲きましょ 裏町夫婦草

口に出せない 男のにがさ
かわりに背負えぬ おんなのつらさ
せめて熱燗 あなた つけますか
ぬくもり一つ わけ合えば
春がきそうな 裏町夫婦草

今日の涙は 明日の笑顔
明日がだめなら いい日を待つわ
ついてゆきます あなた 惚れてます
見上げる路地の 細い空
星もうなずく 裏町夫婦草


22.天城越え

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

隠しきれない 移り香が
いつしかあなたに 浸みついた
誰かに盗られる くらいなら
あなたを 殺していいですか
寝乱れて 隠れ宿
九十九(つづら)折り 浄蓮(じょうれん)の滝
舞い上がり 揺れ堕ちる 肩のむこうに
あなた…山が燃える
何があっても もういいの
くらくら燃える 火をくぐり
あなたと越えたい 天城越え

口を開けば 別れると
刺さったまんまの 割れ硝子
ふたりで居たって 寒いけど
嘘でも抱かれりゃ あたたかい
わさび沢 隠れ径
小夜時雨 寒天橋
恨んでも 恨んでも 躯うらはら
あなた…山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え

走り水 迷い恋
風の群れ 天城隧道(ずいどう)
恨んでも 恨んでも 躯うらはら
あなた…山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え


23.浪花姉妹(デュエット:島倉千代子)


24.夫婦善哉

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

浮草ぐらしと あなたが笑う
肩に舞うよな 露地しぐれ
なにもなくても こころは錦
ついてゆきます… 夫婦善哉
あなたの背中が 道しるべ

他人(ひと)には見えない 亭主(おとこ)の値打ち
惚れた女にゃ よく見える
寒い夜には 相合い酒で
憂き世七坂… 夫婦善哉
今日も可愛い 馬鹿になる

ないないづくしも 才覚ひとつ
辛抱がまんの 花が咲く
旅は道づれ 夫婦は情け
なにがあっても… 夫婦善哉
笑顔千両で 生きてゆく


25.滝の白糸

作詞:吉岡治
作曲:市川昭介

心だけ 下されば
倖せだから
どうぞ どうぞ
行って下さい 東京へ
夢があなたに 叶うなら
苦労もかえって 愉しいと
滝の白糸
水に咲かせる 恋舞台

好きだけで 一筋に
生きられるなら
明日も 明日も
なんの憂いは あるまいに
金に憂き世に 負けました
せかれて立つ瀬も ないままに
滝の白糸
月も痩せます 卯辰橋

恨まない 悔やまない
この世のことは
みんな みんな
おんな心の 愚か故
好いた御方に 裁かれて
生命を生命を 断とうとも
滝の白糸
末は夫婦の ふたりづれ


26.風の盆恋歌

作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし

蚊帳の中から 花を見る
咲いてはかない 酔芙容
若い日の 美しい
私を抱いて ほしかった
しのび逢う恋 風の盆

私あなたの 腕の中
跳ねてはじけて 鮎になる
この命 ほしいなら
いつでも死んで みせますわ
夜に泣いてる 三味の音

生きて添えない 二人なら
旅に出ましょう 幻の
遅すぎた 恋だから
命をかけて くつがえす
おわら恋唄 道連れに